未来を洞察してみた。―東京オリンピック後の建設業者は・・・
東京オリンピックの開催というか誘致に成功したのは東北大震災後の復興がどれくらい進んだか世界が気にしているからと聞いたことがあります。
本当かどうかはあやふやですが・・。
東京オリンピックという大きな区切りが未来に出来たことで、私の会社でも2020年を目標に先行開発を進めていますし、私自身もこの時までに自分で楽しみが作れるようなスキルアップをしたいと考えるようになりました。
つまり、東京オリンピックのおかげで、みんなが希望を持って進んでいると、無意識に感じていたのでした。
しかし、毎朝聞いているラジオではまったく逆のことが起きていると伝えていました。
東北で学校の校長をしている方の話でした。
「東京オリンピックが開かれることになり、逆に復興が進まなくなってますね。
子どもたちの親が自分の家を建てたくても、建てられない状況が続いています。
ほとんどすべての建設業者が東京へ集まってしまったからです。
誘致が決まる前はトラックが子供たちの真横を行き来して冷や冷やしていましたが、今はたまに通るくらいでその点だけは安心してます」
建設業者は東北の地元のお客より、東京の離れた上客を取るということがわかったのでした・・・。
以前、オリンピックの前後で成功したタクシー会社の社長さんのインタビューを思い出しました。
周りのタクシー業者はこぞってそのオリンピックのお客を優先して、地元のお客は乗せない、ということをしてしまったそうです。
この社長さんはまったく逆の、地元のお客だけをひたすら乗せるように徹しました。
その結果、オリンピックのお客を優先した会社は地元の人から信頼を失ったため倒産の憂き目にあい、地元のお客を乗せ続けた会社は生き残ることが出来たのだと言っていました。
「目の前のおいしい仕事には絶対飛びつくな。長い目で見れば、地元を優先するのは当然だ」
といったことを最後に言っていました。
東京オリンピックを目標にして、息の長い地元よりも優先させている会社はかなり危険ゾーンに入っているということですね。
長い目・・・話が少しだけ変わりますが、私は獺祭で有名な「旭酒造」の新蔵が本当にもったいないと感じています。
旭酒造は今後、世界で売れていく会社だと勝手に思っています。
そして、円安で増えた海外旅行客にとっても魅力的な会社だと思います。
ですが、この新蔵・・・完全に和風とかけ離れた建物なのです。
長い目で見ると、きっと獺祭の生まれ故郷として、日本人観光客だけでなく海外旅行客が見に来ることになります。
そのとき、この和風とかけ離れた建物ではとても弱いなと思うのです。
私も目の前のすぐに力が付きそうなことに飛びつきがちです。
そして、オリンピックを目標にして、その先を考えることをやめてしまっています。
私自身がちいさくても何がしたいのか、目先にとらわれず、オリンピックのその先の目標を見つけたいと思います。