デザイナー言語① ―絵で物語る、文章はキャッチフレーズ
「よし、絵の練習もかねて今度のイベントの企画書を描いてきて。
イベント会場の雰囲気でもいいし、こんな製品を展示したい、でもいいよ。
まだざっくりとしたものでいいからね。」
「わ、わかりました。頑張ります!」
書く、じゃなくて描く、なんですよね・・・。
失敗してもいいし、荒唐無稽な展示でもいいんだよと自分に言い聞かせて。
とりあえず何か描こうと真っ白な紙にペン先を置きました。
何も描けませんでした(T_T)
辛うじて書いたのは「健康」というテーマだけ。
描けてないし・・・。
いろいろ最近のトレンドも調べたし、他部署がまとめたうちの業界の未来予測も知っています。
だからきっと未来が大体想像できるんじゃないか、とか思っていたわけです。
ぜんぜんだめで、頭の中が空っぽ。
ちなみになぜ「健康」というテーマは、この前のフォーラムで市長が言われていたことから来ています。
「福祉の「福」も「祉」も幸せという意味なんです。
高齢な方へのサービスだけに使われているんですが、もっと幅広い世代に対して使ってもいいと思うんですね。
そして、幸せというのは健康であることが第一です。
健康でなければ、たとえ今の福祉のサービスが充実していたとしても楽しめられません。
逆に楽しみを感じられなかったら、健康にはなれないと思うんです。」
といってました。
そこで「健康」から発展させて、うちの会社の製品で「楽しみを提供する」⇒「旅」をテーマにすることにしました。
・・・まだテーマが広くてぼんやり。
もちろん、絵を描かないといけないのに、文章ですべて書きました!
今回はチームでアイデアを出し合うので、周りの進捗が気になるところ。
先輩「2枚描いたよ」
私 「私は1枚ですね」
そんなに無くても大丈夫かな?と安心し始めた時
後輩「5・6枚かな?」
先輩・私「え!?そんなに!?」
もう一人の先輩「20枚あるよ」
先輩・私「(絶句)」
大慌てで、足す私と先輩。
結果は・・・
私以外、みんなが絵で「こんなのがしたい!」という思いがあふれていました。
デザイナーは絵で語る、なんですね。
絵は見た瞬間イメージが伝わります。
反対に、文章は読んでから伝わるけど、イメージは読み手次第でうまく伝わってないこともあります。
私がいい例でした・・・。
今回はひたすら言葉で、こんな感じのものがしたいと伝えたのでした。
とりあえず、上司からは
「『旅』をもっと深堀してみて。
今のままじゃ、今ある製品と何も変わってないよ」
「実はどうやったら深堀出来るかよく分からなくて、そこから考えがストップしちゃうんです」
「いろいろな切り口で攻めていけばいいよ。
時間軸なら朝昼晩とか、会場という場だと限界があるんだけど、じゃあどんな事が出来るかとか。
まあひとまず頑張ってみて」
やっぱり今日も頑張ってみます。